仕事で韓国人翻訳者のレビューをやることがあるんですが、本当はプルーフリーディングをやってからレビューをするほうがいいのでしょうが、そこをすっ飛ばして、レビューをやっています。
いや、ほとんど原文読んでない(苦笑)
(いや、レビューだから読まなくてもいいやん)
そんなときに、結局原文を読まないと前に進めないことが多々あります。
接続詞編
まず 한편
これって、大抵「一方」と訳されるんですが、
それでOKなのは技術文書や法律文書だけで、コレポン(レターやメール)では、
ほぼ使うことはありません。
一方を使うなら、前後の文章が比較対象されているとか、他方な文章が存在するわけですが、
ちょっと違う話題に移るときも、韓国は한편乱用します。
そういう時は、「なお」にしてほしい。
技術文書や裁判関係の文書だとしても、
文章構成に応じて、「また、さらに」に置き換えることもできるんですが、
6文くらいの文章で3個くらい「一方」がでてくるのは、胃もたれがします(苦笑)
上手いこと接続詞を駆使してもらいたい。
でも難しいんでしょうね・・だって直訳してなんぼの世界だから。
意訳したら責任取れないでしょ?みたいな。ねえ。
これはまだ序の口で、
그런데=「ところで」オンリーと思っているようですが
違いますから!
「ところが」という逆説もあるので、要注意な接続詞
そもそも、「ところで」なんて接続詞って、あってもなくてもコレポン文章は通るんですよね。
重要なのは「ところが」で訳すとき!
「ところが」の意味合いの時は、がっつり「ところが、しかし」に直しますが、
「ところで」のときは、思い切って削除するときもあります(苦笑)
비록~~지만
만약~~지만
「たとえ~だが」と訳すのを見かけます。
「たとえ+~としても」「もし+~なら」の慣用句でないと、不自然なんですよね。
語尾編
これ、もう、安倍首相になった気分になる
技術や法律文書は「であり、」文がたくさんでてきます。
「~で、」と「であり、」を区別しなければいけない時があるようなので、この業界ではよくよく使います。が、それは「であり、」「である」文のときだけ。
コレポンで丁寧語を使おうとして「であります」ってしなくてもいいんだってば!
「であります」なんて、もともと長州薩摩から発生してるからか、山口出身の安倍さんは
ちょくちょく使いますけど。
文法としても間違いではないけど。
不自然極まりないのであります。
もう、たまるにたまって
「これ、安倍方言だから、「です」を使ってね」って公知しようかと思ってます。
その他
「ご指示に従い、~致します。」って多々見かけるけど、
間違ってはいないんだけど、
「ご指示の通り、~~致します。」のほうが自然になる文章が多いのでありますw
文法編
ご参照くださいと混ざるんでしょうね。
「参考する」ではなくて、「参考にする」なので、
参考にしてください→1歩すすめて、参考になさってください
があってるんだけど・・・・直りませんよね
技術文書や法律文書が専門になるので、どうしても固い言葉を使うようになるのは仕方がないことなんですが。
特に日本の判例や、法に関する文書などを読んでいると、「日常的に使わない」ような表現ばかりなので、あたかもそれが正しい日本語であるとばかりに、コレポン上で使われるんですよね。
間違ってはいないんです。
「ただ、その言い回し、古臭くて固い」だけなんです(苦笑)
判例などを訳す場合には、どうぞどうぞその言い回し使ってくださいといえますが、
ビジネスでやりとりするレターに、そこまで古臭い表現使わなくてもいいんですよね。
だって、相手の日本人もどんどん世代交代しているので。
以前日本で働いていたときも、韓国からのレターは「古臭い」「堅苦しい」日本語がツラツラ並べられていました。
さて、これの何が問題って。
プロ意識高い系の翻訳マスター韓国人に、「間違ってはいないけど、不自然」を
どう納得させるか
それが一番の悩みです(苦笑)
だって、私、日本語専門家でもないですからねえ。
15年前に朝鮮語を専攻しただけの人間ですから。
とはいえ、言語学も一応やりましたよ。
最初の一冊が、音声学から始まったんですが、
それをクリアした後、
生成文法に入って挫折しましたから。
シュウリョーー
「チョムスキー?」私は「チャイコフスキーが好き」くらいのレベルですよ。
韓国で通訳翻訳大学院なんてでてる、業界10年、20年の上司や同僚には、
かないませんよ。
でも、直してやりたいわ~その日本語!
私の世代の日本語にwwww
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